「先生!違和感を感じるのは・・・」

数日前、滋賀県で発生した痛ましい事件。もはや誰もが知っていると思うこの事件について、いまさらながらに言及してみる。とはいえ、言及はかわいそうとかそういう話ではなく*1現在の報道について。という観点からである。
最近の報道で、どうしても違和感を感じるのである。何に違和感を感じるのか?それは、この報道を取り扱うにあたり(現時点ではまだ)容疑者である谷口充恵(鄭永善)の呼び方にである。テレビのアナウンサーは異様に「中国籍」であることや、日本で名乗っていたであろう谷口充恵という名前ではなく「鄭永善」という中国名を強調した感じ*2で呼称するのだ。Web上のニュースだって、最初は日本名での報道であったにも関わらず、途中から日本名と中国名の併記に変わり、今や日本名を確認することができない。

滋賀幼稚園児殺害事件

これにはいくつかの理由が考えられる。好意的に解釈すれば加害者が乗車していた車両に同乗していたであろう加害者の娘やその家族への配慮*3、「加害者が日本語で上手くコミュニケーションをとることができない」という事実を視聴者にわかりやすく伝えるには中国名で呼ぶのが簡単だから*4悪意を持って解釈すれば「中国」の方への日本人の漠とした不安感、不信感をあおるための報道ではないだろうか?と思う。この報道を見て「やっぱり中国人は・・・」って思った日本人、少なくないんじゃないだろうか?
事実は事実として客観的に伝えてくれれば良い。だが、そこに漠とした不安感を残すような報道をする。その姿勢には疑問と違和感と、そして何より不信感を禁じ得ないのである。別に容疑者を擁護する気はない。だが、あまりにも・・・な感じがしたので。だってこれ、日本じゃなく、国が国だったら中国人虐殺暴動でも始めちゃいそうな報道に感じるわけです。
・・・と、考えると、日本において中国人が何かをしたときにこれほどマスメディアが叩くって言うことは、中国において日本人が何かをしちゃったときのマスメディアの報道って言うのは、もっと凄いんではなかろうか?というのも想像に難くない。反日感情が中国市民の心の根底にある理由も垣間見た気がする・・・。

*1:当然、唐突に奪われた二つの幼い命のご冥福を祈る気持ちはある。

*2:少なくとも私はそう感じる

*3:加害者の家族にできるだけ影響を与えないため

*4:っていうこれも、日本名と中国名を両方都度説明すれば済むはないなのだが、確かに冗長的な感じになるのは否めない。