「先生!人は元来どういうものでしょうか」

世には性善説性悪説がある。それぞれ孟子荀子という昔の中国のえらーい人が唱えた説である。正直、性善説性悪説、どっちも真理でどっちも間違っているような気がします。ただ、人の人格とは先天的なものではなく後天的なものであり、インプリンティングされる環境が善か悪かでその後の人生が性善的なものになるのか性悪的なものになるのかが分かれるような気がします。ただ、どんな人でも誘惑には弱いんじゃないでしょうかね?ふとした誘惑に耐えるためにはやはり荀子の言う通り自分を戒める心が必要な気がします。まぁ、どうでもいいですが。
ところで・・・最近何かと話題のライブドア粉飾決算やら不正取引やらいろいろ言われているようですが、正直ライブドアがどのようになろうとも勝手にしてください。だけどこの前傘下におさめたセシールだけはつぶさないようにしてくださいというそれだけである。
で、ライブドアでは通常のニュース以外にパブリックジャーナリストという、まあ一般人が書いた記事を掲載するコーナーがある。そこで、相反する二つの記事を見つけた。

『上様』『品代』領収書の脱税を見逃すな!
国税局や税務署は、領収書の『上様』という架空の宛名をなぜ黙認するのか。『上様』という領収書の狙いは、発行元に企業名を残させず、脱税の意図と魂胆があるからだ。領収書はデパート、スーパー、飲食店、鉄道、タクシーなど、あらゆるところで発行される。客から「社名を書いてください」といわれて、面倒だからと拒絶をするところはまずないはずだ。

ってい記事と

『上様』領収書は便利!社会を円滑にする側面も
「『上様』『品代』領収書の脱税を見逃すな!」の意見では、「 国税局や税務署は、領収書の『上様』という架空の宛名をなぜ黙認するのか。『上様』という領収書の狙いは、発行元に企業名を残させず、脱税の意図と魂胆があるからだ。(中略) 『上様』という宛書の裏には架空の経費の引き落としという、悪質で計画的な脱税行為であるのは明白な事実である。(中略)『上様』は殿様とならんで封建制度のもので、現代では死語だ。それなのに、領収書だけは堂々とまかり通っている。断固、斬り捨てるべきだ」とあります。
これでは、内容の不確かな領収書全てが、あたかも企業の経費架空計上に利用されているように受け止められます。しかし、それほどまで世の中の企業の経理がいい加減だとは思えません。そういう不正をチェックするために公認会計士もいます。個人営業の場合でも、あまりにもいい加減な場合は税務署のチェックが入ります。

まぁ、全社が性悪説にもとづき後者が性善説に基づいている様な意見だなぁ・・・と勝手に思っているわけなのですが、両方を読んだ結果の感想がどっちもどっちの意見だね。ってこと。ところで、前の記事内にある一文には文句を言いたい。

客から「社名を書いてください」といわれて、面倒だからと拒絶をするところはまずないはずだ。

拒絶されることはないけれどもうちの会社の場合非常にいやな顔をされる。なぜなら正式名称を書こうとしたら14文字(昔はもっと長くて21文字)もあるわけだ。昔、こんな長い社名を「書いてください」とお願いしたら、露骨にいやな顔をされた。特にタクシーの運ちゃんはすごっくいい「いやな顔」をしてくれる。なので、最近タクシーで会社宛の領収書をもらう際には宛て名欄は空白のままでいいです。と言っている。
もちろん、後々会社に決済をもらうために社名を書かなければならないのだが、それは自分で書くこととしている。(うちの会社では宛名が上様では領収決済はおりない)あぁ、めんどくさい。
ってことで、社名を書かない宛名の領収書はすべて脱税のためだと言ってしまっている最初の記事の上っ面だけを見た記事にも嫌気が出るし、グレーゾーンの保護を目的に相手の主張をまるで間違っているかのような主張としてとりあげ、現在のザルザルな制度を放置しても良いという保守的な後者の記事にも嫌気が出る。何事にも適正な姿というのがあり、それを目指すべきだと思うのだが・・・。