「先生!偉い人にはそれがわからんのですよ・・・」

さて、いつも突っ込み所満載の情報を提供してくれることで有名なとくダネ!ですが、昨日の東証取引停止に関してシステムが十分でないという突っ込みをしていた。そして、負荷分散構成をとるなど、もっとシステム的に拡充が必要である。などとのたまわれておりました。
・・・これを聞いて一言。負荷分散構成などとっくの昔に取っていると思うのですが・・・?
冷静に考えてみよう。東証の取引時間は9:00AM〜11:00AMと12:30PM〜15:00PMである。つまり実稼働時間は4.5時間である。この時間内に約400万件の約定を許し、約定に至らないまでの処理も約700万件程度なら処理ができるとのことだ。
4.5時間に400万件の約定を実行できるということは、売りと買いのリクエスト800万件を処理できるということになる。ということであれば・・・

4.5時間*60分*60秒=16200秒
8000000件/16200秒=493.8271605

ってことで、1秒間に500件の売り買い情報の処理能力があるわけだ。これは、システムとしてはかなりだと思うんだけど。これ以上を求められると非常に辛いものがあるような・・・。それにこれは約定まで行った処理のみであり、約定まで行かないリクエストが残り700万件もあると思えば、トータルではその倍1000件の売り買い情報を1秒間に処理しているわけだ。
・・・正直、これ以上のシステム増強を求めるのは酷と言うものではなかろうか?
システムを組む場合は非常事態のピーク時に対応できるように設計するのではなく、通常の処理を滞りなく処理でき、通常考えられるピーク(時間帯によるものなど)を処理できる所を目安として考えるのが普通じゃないだろうか?当然、言う通り非常事態のピークに対応できれば良いのだが、非常事態とは起きてみないと分からない以上、どの程度をピークと考えれば良いのか分からない。
どんなことが起きても対応できるシステム。それは理想ではあるが、それを求めるためにはまさしく想定外を想定しうるすばらしい先見性と、そして何よりお金が必要なのであろうと思う。