「先生!家電の買い方について」

「家電」と書いてあなたはこれをなんと読むだろうか?この熟語には二通りの読み方がある。いや、正確に言うと二通りの読み方ができているというのが正しいだろうか。この漢字、「カデン」もしくは「イエデン」と読む。「カデン」と読むか「イエデン」と読むかは世代によって違うようだが、残念なことに私は前者である。
ちなみに、イエデンとはケイタイの対義語で意味合いとしては「家の電話、固定電話」として用いられる訳である。若い世代にはこのイエデンという言葉が浸透していると思われるが、もうおっさん呼ばわりされそうな私にとってはイエデンという言葉にはちょっと抵抗があるわけだ。その昔メールで「うちって携帯の電波悪いからさー、悪いけど家電にかけてくれる?」というメールを受け取ったとき、5分ほど思考が停止したことがある・・・。さて、そんな家電の「カデン」としての話題。

デジタル家電のメーカー指名買いのトップはシャープ。ノートPCではソニーが強さ
日本ブランド戦略研究所は15日、注目されるデジタル家電6品目(薄型テレビ、ノートPC、デジタルカメラ、携帯電話、DVDレコーダー、インクジェットプリンタ)の購入者に対して、ブランドの選択行動に関する調査「ブランド支持状況調査2006デジタル家電編」を2006年1月に実施し、その結果を発表した。この調査は、過去1年以内に調査対象のデジタル家電製品を購入した人に対して行われたもので、今回が初めての調査となる。アンケート回収数は500通。

デジタル家電6品目の中にプリンタを混ぜちゃうのはどうだろうか?アレはセイコーエプソン、キャノン、ゼロックスヒューレットパッカードなんかで市場の9割以上を占めてしまうような気がするんだが。あ、そうそう、はてなダイアリー的にはブラザー*1も入れとかないとね?って、ブラザーはインクジェットじゃなくてレーザーか?まぁいいか。

調査の結果、買おうと思った当初からメーカーを決めていて、そのまま同じメーカーの製品を購入した人が多かった製品はノートPCとインクジェットプリンタ。一方、薄型テレビやDVDレコーダーでは、多くの購入者が比較検討段階や買う直前に、実際に購入したメーカーを検討対象としていたことがわかった。

ん?いまいち文章がよく分からない。が、解析するとこういうことだろうか?消費者が商品を購入する際の動向のフェーズを次のような4段階に分ける。
「●●が欲しいな」→「じゃ、ちょっとどんな商品があるのか調べようかな」→「お店行ってみよう」→「お買い上げ〜♪」
この4段階のうち、最初の「欲しいな」と思った時点からメーカーが決まっているのはノートPCとインクジェットプリンタは既にメーカーが決まっているってことか?まぁ、ノートPCを買うときには既にノートPCが欲しいんじゃなくてLet's Noteが欲しかったり、iBookが欲しかったり、VAIOが欲しかったりするんだろうな。比較検討するもんでも無いような気がする。プリンタはエプソンかキャノンのほぼ二択なんだから、メーカーが決まっているというのもうなずける話だ。
逆に薄型テレビやDVDレコーダーは、欲しいと思ったその時にメーカーによる機能差異がそれほどあるとは思えないだろう。だから比較検討をする必要があり、比較検討時やお店で決めるって言う行動パターンになるって言うのも納得できるわけだ。当たり前じゃん?というのが証明された感があるということか。

メーカー別では、購入の当初からそのメーカーの製品を買おうと決めていて、実際にその通りに行動した人が最も多かったのは、全ジャンルの製品を通じて「シャープ」だった。同社は特に薄型テレビでの支持が高く、指名買いされるブランドとなっている。また、近年はブランド力の低下が懸念されている「ソニー」だが、実際に購入した人の行動を見る限りソニーブランドは健在であり、特にノートPCでは実に3分の2以上の人が最初からソニー製品を購入しようと決めていたことが明らかとなっている。

日本語のマジックに陥っている気がする。「ノートPCでは実に3分の2以上の人が最初からソニー製品を購入しようと決めていたことが明らかとなっている。」とは、一瞥するとまるでノートPC分野におけるソニーシェアが3分の2以上あるかのように見受けられるが、そうではないだろう。ノートPC購入者のうち数割を占めるであろうソニーブランド購入者のうちさらにその3分の2以上がもともとソニーを購入しようと考えていた。って言う話なんだろうな。
だと考えれば、「メーカーの製品を買おうと決めていて・・・」というくだりとかもなんだか「どの時点で決めたのか」ということがあいまいにされたままの記載になっているので、途端にこの記事の信憑性が疑わしくなる*2

同研究所では「指名買いする消費者は、その企業ないしは製品ブランドが好きだから購入する、という傾向が強く、価格を重視する度合いが低い。また、購入のきっかけとなった情報として、テレビ・新聞・雑誌などのマスメディア以外にメーカーのホームページが重要な位置を占めていることが明らかとなった」とコメントしている。

ブランド買いについて否定するつもりは到底ない。私も、パソコンはLet's Noteだし、デジカメはLUMIXとかD-snapだし、ETCもパナソニック製だったりするわけで、松下一色である。・・・・・・あ、でもテレビはパイオニアか?HDDレコーダは2台とも東芝だしな。スピーカはJBLとケンウッドとYAMAHAとノーブランドでアンプはYAMAHAか。冷蔵庫は三菱だし、プリンタはキャノンだし、パソコンはゲートウェイパソコン工房か?ん、思ったよりまとまりがないことがわかった。

一方、比較検討段階で検討対象となり、そのまま購入につながることが多かったのは「松下電器産業」だったほか、「東芝」製品を購入した人には購入直前に選んだ人が多かったという。同研究所ではこれについて、「消費者は比較検討段階でデザイン、機能、性能を比較吟味する傾向があり、この段階で松下製品を優れていると評価する人が多いようである。また、比較検討および購入直前の段階では店頭で実物を見たり、あるいは店員の説明を聞いたりして選択する傾向が強くなるため、松下や東芝は販売力がシェア獲得に大きく貢献している様子がうかがえる」としている。

確かに、店頭で店員さんが進めやすいのは東芝とか松下だろうな。パナソニック東芝はガンガンCMをうっているから顧客のイメージの底にある程度の基礎知識があるだろうし、松下は比較的安価でデザインが良くて、東芝は比較的機能が充実しているって言うイメージを顧客に持たせるセールストークがし易いんだとおもうわ。
にしても、この記事には日立とか一切出てこないんですけど?どうなってるわけ?

*1:ここを参照のことhttp://d.hatena.ne.jp/brotherblog/

*2:あくまでも記事の信憑性であり、この調査の信憑性ではない。調査結果を正しく伝えきれていない記事なのではないか?という危惧を抱くという意味である