「先生!考えなければならない判決です」

私がブログ?はてなを書き始めて1年と10ヶ月程度、あともう少しで2年が経過する。その2年の間に、ブログと言うものが偉く普及したものだと思う。もともと日記系サイトを構築していた人達が更新の便利さなどからブログに移行してきたり、これまで日記とは縁遠かった一般ユーザーもブログを始めたり、書店にはブログを書くための方法に関する本があふれ返ったり・・・ブログから書籍化されたものも数多い。そういう意味でにわかに発展してきた。と言うイメージがぬぐえないブログであるが、そのブログに関して興味深い判決が出ている。

ブログ小説:元社員に「名誉棄損」で賠償命令 京都地裁
インターネットのブログ(個人の日記風簡易型サイト)に書かれた小説のモデルにされ、名誉を傷つけられたとして、京都市内のタクシー会社が元運転手の男性(58)に慰謝料など1100万円の賠償などを求めた訴訟で、京都地裁中村哲裁判官は16日、「社会的評価や信用を低下させた」などとして男性に100万円の支払いを命じた。ネット問題に詳しい岡村久道弁護士(大阪弁護士会)は「ブログでの名誉棄損を認定した判決は聞いたことがない。今後は同様の問題が増えると予想され、警鐘になる」と話している。

ブログが公共の場に掲示されるものである以上、そこに記載される内容は全世界に対して公開しているものだと考えるべきである。なので、安易に個人を特定できたり、想定できるような情報を掲載するべきではない。
私がブログを書き始めた当初は私の住んでいる地域についてすら触れないようにしてきていた。が、まぁ、住んでいるのが高知という田舎である。と言う前提でないとネタにできないようなネタが増えてきたので、高知という事を本文内に記載するようにはなったが。
また、私の身近な他人を記載する場合はまったく外部の第三者が見て、その人物が誰か?なんて事が気にならないような文にし、またその人物を特定できないようにして書いてきているつもりである(ま、書かれた当人や、その周囲の人達が見ればわかるのでは?と言うレベルでは書いてあるが)。

判決によると、男性は04年4〜5月、24回にわたり同社をモデルとした小説をブログに掲載し、「社内で運転手が飲酒し、管理職も放置」「幹部が会社の金を横領」などと表現。会社や幹部は仮名だったが、自己紹介で会社や自分を実名表記した。同社は小説掲載を理由に解雇したが、男性が解雇無効を求めて提訴。男性が05年2〜3月に全回分を再掲載したため、会社側が反訴していた。
判決は「男性が主張するだけの事実は認められない」としたうえで、「同社を知る業界の者が読めば、同社がモデルで、事実と思うことが想定される」と指摘した。

で、記載している内容については、連想されると言う事が判決の根拠になっているらしい。なんだか、「疑わしきは罰せず」*1って言うのからは外れている気がするが、悪く言われているのは「●●っぽい」って言う事だけで名誉棄損になっちゃうんだ。って事で、私の書いてきている内容すらも怪しいって話なんだろうか?ちょっと記載している内容を考えなければならないかも。
ちなみに、京都でタクシー会社って言われちゃうとMKタクシー?って脳内直結しちゃったんだけど、まぁあっているかどうかは知らん。
・・・って、こんなふうに根拠のない想定を書くことも名誉棄損になっちゃうんだろうか?なんだか、ブログで迂闊なことをかけなくなっちゃうな。

男性は判決後、「内容は事実。今後もブログで公表していく」と話した。これに対し、同社側の弁護士は「場合によっては名誉棄損での刑事告発も検討せざるを得ない」としている。

ちなみに、内容が事実であればそれは内部告発というんじゃないのであろうか?

岡村弁護士は「情報発信の敷居が低くなったのはいいが、不特定多数の人が見る影響力の大きさを考えねばならない。その危うさを象徴する判決」と話している。

ブログの危うさについて言及されているが、岡村弁護士よりも落合洋司弁護士の見解の方がより具体的だと言えるだろう。

ブログだから、ということで、名誉毀損の成立要件が変わるわけではありませんが、ブログにより、手軽な情報発信が、より可能となったことで、今後、この種の紛争が増えて行くことは確実でしょう。
単に、「他人の誹謗中傷はやめましょう」ではなく、何が誹謗中傷で、どういった場合に違法性が生じるか、といったことについて、啓発、教育を行う必要性を感じます。

はい、教育を受けたいと思います。・・・どこで?どうやって?が、問題ですが。

ブログは、運営事業者に登録して手軽に開設できる。総務省によると、05年9月末現在、国内では延べ約473万人の利用者がいるという。【太田裕之】

述べ473万人という事は、一人で複数のブログを掛け持ちしている人もいるわけで、その一方で総務省が完全にユーザー数を把握しているわけでもないと考えれば、だいたい400万人くらいが利用していると考えればいいのかね?日本の総人口を1億3千万として、400万人って事は人口の3%か。30人に一人がブログを書いていると言う事なのかな?でもまぁ、幼児や老人などがブログをかけるか?と言うとNoな確率が高いわけで、成人の中でブログを書いている人の割合は20人に一人。程度なのかな?そうか、今日も誰かが私をネタにしているかもしれないのだな。
・・・まぁ、でも、私の周りは業界が業界だけに、書いている人は多いんだがね・・・。

*1:これは刑法に関してのみなのか?