「先生!難しいです。」
週刊ポスト「21世紀毒談特別編」に記載されていた記事を抜粋したWebがはてブで話題になっている。
ビートたけし、「被災地に笑いを」なんて戯れ言だ【長文抜粋】
んまぁ、言ってる事は正しい・・・っていうか、正しい正しくないっていうのは個人の価値観にも依るところが大きいので、なんとも言えないんだけど・・・。
よく「被災地にも笑いを」なんていうヤツがいるけど、今まさに苦しみの渦中にある人を笑いで励まそうなんてのは、戯(ざ)れ言でしかない。しっかりメシが食えて、安らかに眠れる場所があって、人間は初めて心から笑えるんだ。悲しいけど、目の前に死がチラついてる時には、芸術や演芸なんてのはどうだっていいんだよ。
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うん。確かにその通りだとは思う。だけど、一方で「人は幸せだから笑うんじゃなく、笑うから幸せになるんだ。」というのも信じたいと思っている*1。あの時辛かったけど、なんとか笑いながら耐えられた。っていう事もあるわけじゃない。
また、被災地って言葉の定義が難しいよね。確かに死にそうだと思っている人たちも多いかも知れない。一方で自分たちは立ち上がるんだ。という気持ちになっている人も少なからずいるだろうと思われる事。たけしさん自身が言っている通り
一個人にとっては、他人が何万人も死ぬことよりも、自分の子供や身内が一人死ぬことの方がずっと辛いし、深い傷になる。残酷な言い方をすれば、自分の大事な人が生きていれば、10万人死んでも100万人死んでもいいと思ってしまうのが人間なんだよ。
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だと思うんだ。だから逆に言えば2万人の人の家族が悲しみに打ちひしがれていても、被災地とされる茨城、福島、宮城、岩手、青森の人口を足すと1千万人を越えるんだよね。となると、2万人の人たちの遺族を仮に1人あたり10人だとして*220万人だ。全体の2%だね。いや、数の問題じゃないってことも分ってるよ。でもさぁ、その他の98%の人々が笑っちゃダメだっていう事もないわけだと思うんだ。
だからね、笑いを届けようとしている人たちを否定する気にもなれないんだよ。
オイラたち芸人にできることがあるとすれば、震災が落ち着いてからだね。悲しみを乗り越えてこれから立ち上がろうって時に、「笑い」が役に立つかもしれない。早く、そんな日がくればいいね。
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なので、これから立ち上がろうと思っている人たちが今すでにいる。という前提に立つべきかなぁ?と。「そんな日」だと思っているからこそ、みんなは活動しているんじゃないかな。まぁ、「そんな日」っていうのをいつ?と決めるのは難しいけど。
常々オイラは考えてるんだけど、こういう大変な時に一番大事なのは「想像力」じゃないかって思う。
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うん。大事だと思う。だから、すべてを否定的な想像力ではなくて、肯定的な想像力も働かせて、多様性を受け入れるべきではないかな?そして、戯れ言だ!と断じてしまうのは簡単だけど、そうじゃなくて、できる事を一生懸命やろうと思っている人はみんなそれはそれで尊いことだと思うんだ。
それでも、オイラたちは毎日やるべきことを淡々とこなすしかないんだよ。もう、それしかない。
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で、だと思うならあなた、笑いを届けてあげてよ。って思う。
きっとあなたは文化人だし、知識人だし、映画監督だし、いろいろな側面があるんだと思う。だけど、笑いで成り上がったじゃないか。だったら、その笑いを提供してくれ・・・って俺は思うんだけどな。ただまぁ、一方でたけしさんが届ける笑いっていうのは、モノの破壊や他人への(悪意のない、嫌味のない)暴力に依るところが大きいとも思うので、今の雰囲気に合わない笑い*3だとも思える。そんなことを自覚しちゃってるからこそ、こんな物言いになってるのかも知れないなぁ。と思う。
あとさ、被災者は全部大人ではないんだよね。子供もいれば、お年寄りだっている。子供たちにとっては、笑いって大事だと思う。だから、笑いを届ける。っていうのは確かに戯れ言かもしれないけど、真剣な戯れ言だと思うんだ・・・。
あぁ、うん。安全地帯にいる自分が言う事では全然説得力がないけど・・・でもなぁ。と思ったので書いた。価値観は多様だ。確かにたけしさんの言う事も判るし、大勢の人が同意する内容だと思う。だけど、それでも、やっぱりみんな頑張ってる、その頑張りは否定する気にはなれなかった*4。
<<追記>>リンク先が全文引用であったが、指摘を受けて引用を減らしているため、一部引用文が無くなっている箇所が有ります。が、再編集しちゃうと文意が通らなくなるので、こちらはそのままにします。